先輩は、はちみつの香り


「うん。知らないと思ってた。
なんか壁作ってんなーって思って、あれから、勝手にずっと見てた。だから、やよいちゃんに報われない片想いとかして欲しくなかった」



そう言ってニコッと笑う夏川先輩。



そして.................................



「あっ、これ。やよいちゃんにあげる」



おもむろに、どこかからか顔を覗かせた、
はちみつポットを持った、可愛いクマ。



そのクマは紛れもなく。



「これ、この前先輩が取ってたやつじゃ、」

「うん。元々やよいちゃんに、
取ってあげよーと思ってたから、あげる」



2人で休日に出かけた日に、
夏川先輩が1発で取ってしまったクマ。

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