先輩は、はちみつの香り
【02.】消しゴムと〝はちみつ王子〟
「やばい、下校時間過ぎてるのに、」
藤光先輩に続き、羽賀先輩も、
彼女と登校をしてきて2日経った金曜日の放課後。
私は、登校待ちの時に、
日瀬さんや野々村さんと会うことはなく。
めずらしく、普通の日々を送っている。
...........................気がした。今を覗いては。
今日は、たまたま日直で、
生物のノートを集めて、生物室に持っていった帰り。
生物室を出て、
慌てて早歩きをしていた私の目の前には............
「........................消し、ゴム?」
廊下に落ちている消しゴムがあった。