The previous night of the world revolution
仕方ない。それなら…一つずつ説明していくか。

「仲良くなりたいと思った人間が、お前しかいないんだよ」

「…」

「クラスメイトは皆馬鹿だし。俺は馬鹿だけど馬鹿と仲良しこよしするほど馬鹿じゃない。それだけの理由だ」

本当の理由はそれだけではないけど、これも大事な理由の一つだ。

「言っとくが、決して同情じゃないからな。そんなことをするほど、俺はお人好しじゃない」

念の為に言っておくと、ルシファーははっとしていた。

どうやら図星だったらしい。

俺が同情で人と仲良くするようなお人好しに見えたのか?マフィアとして、それはどうなんだ。

「お前は嫌かもしれないがな。クラスメイトと半ば仲違いした今、俺が仲良くなれるチャンスのある人間はお前しかいない。俺はクラスでぼっちになりたくないから、このチャンスを逃す手はない」

つまり、是が非でもルシファーと友達になる。

「お前のあまりの抵抗に俺が根負けするのが先か、お前が折れて俺と友達になるのが先かって話だ。言っとくが、俺は諦めが悪い男として有名だからな。覚悟しておけよ」

なんと言っても、俺は生まれたときから、数々の修羅場を乗り越えてきた。

それを思えば、ルシファーを根負けさせるくらい、何でもない。

「…物好きな人ですね」

ルシファーは、ふっと笑った。

あ、笑うの珍しい…。

「良いですよ。…もう折れましたから」

「…早いな。もう少し根性見せろよ」

「寂しがりなんですよ、こう見えて俺は」

成程。それなら仕方ない。

「それじゃ、友情記念だ。宿題教えてくれ」

「…良いですけど、俺、人に教えたことないから多分下手ですよ?」

「気にするな。俺もお前に教えられ慣れてないから、負けないくらい下手くそだ」

これからしばらく一緒にいれば。

少しずつ、分かるようになってくるだろう。

お互いを。
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