The previous night of the world revolution
そんなことをしてる場合じゃないだろうとは思うが、これもスパイ活動の一環と思えば良い。

何せ、ルシファーの家はルティス帝国でも有数の名家。その家に招かれるのだから、これはチャンスだ。

家を訪問したくらいで得られる情報はたかが知れてるし、盗聴器だのカメラだの、仕掛けたところで…リスクに見合う対価が得られるとは思えない。

でもここでルシファーの誘いを断れば、折角の彼との繋がりに傷がついてしまう。

ウィスタリアの次男で、将来有望な彼とのパイプを失うのは避けたかった。

ただでさえ、春からは毎日顔を会わせるのが難しくなるのだから。

などと言い訳をしてみたが、結局のところ…ルシファーと遊ぶのが楽しみなだけなのだ。

スパイとしてどうなんだ、それは。

持っていく手土産だって、何でも良いはずなのに、選んだのは彼が一番好きなものだ。

何をやってるんだか、俺は。
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