The previous night of the world revolution
…一通り話を聞き終えてから。

「成程ね…。そういう経緯か」

「あぁ」

「…全く、頭が痛いよ。この後この話をアシュトーリアさんにしなきゃならない私の身にもなって欲しいね。血相変えてあれこれ聞かれるよ」

「…ごめん…」

いや、俺が悪いという訳でもないのだが。

自分としては…確かに重要なことだけど、それほどまでとは思っていなかった。

敵の総大将に会ったとはいえ…彼が用事があったのは俺ではなく、ルシファーだから。

俺はあくまで、ルシファーの付き添いでしかなかった。

付き添いの割には…ちょっと出過ぎた真似をしたが。

「…どうする?俺はこのまま騎士団に入って良いのか?」

騎士団の隊長連に、不審を抱かせてしまった可能性がある以上。

想定を越えるリスクがあることは、承知しておかなければならない。

騎士団に入らずに行方を眩ますというのも一つの手だ。

「それはアシュトーリアさんに確認してみないことには分からないけど…。でも、もう入隊手続きは終わってるんだ。あとは四月を待つだけなんだよ。この状態でトンズラしたら、逆に怪しまれると思う」

「…それもそうだな」

警戒は必要だが、警戒し過ぎるのも良くない。

何処で線引きしたものか…。

「…はぁ。全く胃に穴が開きそうだ…」

「…」

とりあえず…なんだか凄く心配させたみたいなので、アイズに申し訳なかった。

勿論、アシュトーリアさんにも。
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