The previous night of the world revolution
言っておくが、隊長の仕事って、書類とにらめっこするだけではない。

副隊長及び分隊長達との会議。関係機関の重役達との会議。隊員達との剣の稽古。情報統制。一応軍隊だから、必要な武器兵器の整備。統制。

一日でお腹一杯になれそうなほど、たくさんの仕事が山積みである。

しかも俺は新任な訳で、何もかも教えてもらいながら手探り。

そしてその上で、シャルロッテさんに渡された世界最高峰の山が二つ。

辛いとかしんどいとか、そんなの考える暇もなかった。

とにかく時間がない。仕事する時間もないし休む時間もない。

余計なこと考えてる時間もないので、俺はロボットにでもなったつもりで、黙々とやるべきことをこなしていた。

それでも、俺はロボットでなく人間。

休みもせずに何日も、一定のパフォーマンスを保てるはずがなかった。

人間、寝なければ作業効率は落ちるし、集中力も働かなくてミスを起こす。

でも寝てたら仕事は一切進まない訳で。それなら寝てるより僅かでも仕事を進めた方が良い。

俺がもしイルカだったなら、半分だけ寝て半分仕事をするというアクロバットが出来るのに。

入社して一週間にもならぬというのに、早くも社畜精神が生まれつつある。これがブラック企業の恐ろしさである。

頭がちっとも働かない状態で、俺はひたすら、寝る間もなく手を動かし続けていた。

いつの間にか目標にしていた四日目も過ぎ、自分が何日働いたのか分からなくなった頃。
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