The previous night of the world revolution
ルシファーが眠った直後。

これから会議だと呼びに来た四番隊の分隊長の一人と協力し、俺はルシファーを医務室に連れていった。

単なる寝不足の域を越えていると判断したからだ。

会議は無理そうだと医師に言われ、四番隊の分隊長は渋々帰っていった。

医師にも、何があったのかと聞かれたが。そんなの俺が知りたい訳で。

ルシファーがこうなった理由を、俺は憶測でしか考えられないが。

恐らくは…過労、だろう。

机の上にあった山のような書類。分隊長の俺もなかなかに忙しいが、もっと上の隊長ともなると、課せられる仕事の量は半端ではなかろう。

それは分かる。理解する。

ましてやルシファーは新卒で隊長就任だ。しんどいに決まっている。

しかし…。

…正直、それだけでルシファーがこんなにへろへろになるとは思えなかった。

覚えることが多くて大変だってことは騎士団側も分かっていたはずだ。分かっていて、ルシファーなら大丈夫だろうからと彼を四番隊に配属した。

そして彼は元々覚えも要領も良い方だ。それが何故、ここまでのことになる?

「…」

分からなかった。俺はただ、青い顔で苦しげに眠っているルシファーの寝顔を眺めるだけ。

様子を見に来て本当に良かった。こんな状態じゃ、そりゃメールの返信なんてしている場合ではなかろう。

…と、そこに。

「…あなたは、誰ですか」

刺々しい女性の声が聞こえて、俺は振り向いた。
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