The previous night of the world revolution

sideルシファー

ーーーーー…ルキハさんの執務室から帰った俺は、自室のクローゼットにしまっていた礼装用の制服を引っ張り出した。

いや、ちょっと着てみようと思って。

それが大きな過ちだとも知らず。

ワンチャン似合うかな~と思って着てみたのだが、やっぱり似合わなかった。

ぐぬぬ…。この制服、ちょっとあれだよ。大人っぽ過ぎるというか、かっちりし過ぎなんだよ。

俺はもっとこう、ラフな。ラフな格好が好きなんだよ。

しかもこの白。ホワイトボードのごときこの白地。

俺、白はあんまり似合わないんだよな…。

あ、そうだ…。髪型をちょっと変えてみたらどうだろう。女性は髪型変えたら、結構印象変わるだろう?

それと同じで、男も髪型変えたら似合うようになるかも。

そんな儚い希望のもと、俺は髪を縛ってみようと、デスクの上の輪ゴムに手を伸ばした。

…これが悪かった。

鏡を見ながら輪ゴムを取ろうとした為…つまり手元を見ていなかった為。

俺の右手は輪ゴムではなく、黒いインクがたっぷり入ったボトルに当たった。

「…あ」

かたん、と倒れたボトルが。

俺の。礼装用の。真っ白な制服の袖をべったりと。

「…」

一瞬にして真っ黒に染まった制服の袖を、俺はたっぷり30秒は無言で見つめていた。

そして。

「ルキハさぁぁぁぁんっ!!」

まず最初に助けを求めたのは、先程まで会っていた友人であった。
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