The previous night of the world revolution
そんな訳なので。

俺は早速仕立て屋さんを呼んで、汚れた制服の替えと、式典用のタキシードを注文した。

制服の方、出来るだけ急ぎでお願いします…とは言ったが、やはり一ヶ月で納品は難しいかもしれない、と言われた。

こればかりは、俺が悪い。

もう一枚作っとくべきだったなぁ…。

と言うか、インクを倒したアホさ加減について反省するべきだろう。

「はぁ…」

タキシードの方は二週間くらいで出来上がるとのことなので、とりあえずこれで来月の式典は何とかなる。

ようやく一息ついた頃、俺はふと、仕立て屋さんが置いていったカタログを手に取った。

粗品という訳ではないけど、良ければこちらも是非、とのことで置いていった、パーティー用の衣装が載ったカタログだ。

ぺらぺらと捲ってみると、男女兼用のカタログらしく、三分の二ほどは女性用のドレス、残りの三分の一くらいにタキシードの写真が載っていた。

ははぁ…。まぁ、女性用の方が種類は多様だよね。

色も何種類もあるし…。

「…」

何の気なしに眺めていたドレスのカタログ。俺はふと、あることを思い付いた。

思い立ったが吉日、早速カタログを片手に、自室を出た。
< 173 / 626 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop