The previous night of the world revolution
更に。

「それと…。ウィルヘルミナ殿から聞いたが、お前、今彼女と人権擁護活動に関わってるんだってな?」

「へ?あぁ…はい」

今度は、その話ですか。

「弟君を借りてしまって済まないと言われたぞ。あんなので良ければいくらでも酷使してやってくれと言っておいた」

「他人の評価は気にするなと今言われたので、俺は気にしません」

さっき褒めてくれたのに、何で上げて落としてくるのか。

扱いの悪さに涙目である。

「お前があの分野に興味があるとは思わなかった」

「殊更興味がある訳ではなかったんですけどね。ウィルヘルミナさんに誘われて」

ついていってみたら、それなりに興味が湧いてきて。

「そうか…。まぁ、やるからには責任を持ってやれよ」

「はい」

それは当然である。

「…それで」

紅茶のティーカップをソーサーに置いて、姉さんが聞いた。

「私に何か用か?」

「あぁ、はい。姉さんドレス着ません?」

「…」

「…?」

何故黙る?

姉さんは眉間を指で摘まみながら、物凄く渋い顔をした。

「…済まない。最近少し疲れているのかもしれない…。もう一度言ってくれ」

「ドレス着ましょうよ、姉さん」

「…」

次の瞬間、姉さんの鉄拳が俺の脳天を直撃した。
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