The previous night of the world revolution
リーフリルさんの爆弾立てこもり事件は、無事に解決したのだが。
相変わらず週一の隊長会議では、不穏な話題が飛び交っていた。
「先日報告した、帝国騎士団内に潜んでいる内通者の件だが、ある程度調べが進んだ」
この件についてオルタンスに任されて調査を進めていた七番隊のフレイソナが、手元の書類を見ながら説明していた。
帝国騎士団内に潜り込んでいるという内通者。スパイ。
リーフリルさんの一件で忘れかけていたが、これはこれで大問題だ。
「内通者が誰か分かったのか?」
「そこまではまだ。しかし、内通者が改竄した記録を可能な限りリストアした結果、改竄されていたデータはマフィアの直轄麾下にある企業の社員についてだった」
「…マフィアの…」
「それも、『青薔薇連合会』だ」
思わず、溜め息が出そうになった。
『青薔薇連合会』と言えば、帝国内で知らない者はいないだろう。
言わずもがなルティス帝国で最も根の深い非合法組織であり、裏社会の帝国騎士団と言っても過言ではない。
「つまり騎士団内に潜んでいる内通者は、『青薔薇連合会』と関わりがある人間ということか」
「そうなるだろう。『青薔薇連合会』の構成員なのか、それとも雇われているだけかは分からないがな」
…多分、『青薔薇連合会』の構成員なんだろう。
帝国騎士団分隊長クラスとなれば、余程の事情がない限り、金に困ることはないのだから。
雇われてやっているのではない。恐らくは。
「今、分隊長以上のクラスで『青薔薇連合会』と関わりがある人間を徹底的に洗っている。少しでも怪しい経歴のある者は全員調べ上げる」
「となると…内通者が何者か、判明するのは時間の問題か」
「今頃、どうやって逃げようか頭を抱えてる最中だろうなぁ」
アドルファスはにやにやしながら言った。
…。
「近いうちに良い報告が出来ることと思う。それまで、今しばらく待っていて欲しい」
フレイソナは自信に満ちた表情であった。
大体のところは、もう検討がついているのであろう。
…成程、そうか。そういうことか。
俺は終始無言のまま、思考を巡らせた。
相変わらず週一の隊長会議では、不穏な話題が飛び交っていた。
「先日報告した、帝国騎士団内に潜んでいる内通者の件だが、ある程度調べが進んだ」
この件についてオルタンスに任されて調査を進めていた七番隊のフレイソナが、手元の書類を見ながら説明していた。
帝国騎士団内に潜り込んでいるという内通者。スパイ。
リーフリルさんの一件で忘れかけていたが、これはこれで大問題だ。
「内通者が誰か分かったのか?」
「そこまではまだ。しかし、内通者が改竄した記録を可能な限りリストアした結果、改竄されていたデータはマフィアの直轄麾下にある企業の社員についてだった」
「…マフィアの…」
「それも、『青薔薇連合会』だ」
思わず、溜め息が出そうになった。
『青薔薇連合会』と言えば、帝国内で知らない者はいないだろう。
言わずもがなルティス帝国で最も根の深い非合法組織であり、裏社会の帝国騎士団と言っても過言ではない。
「つまり騎士団内に潜んでいる内通者は、『青薔薇連合会』と関わりがある人間ということか」
「そうなるだろう。『青薔薇連合会』の構成員なのか、それとも雇われているだけかは分からないがな」
…多分、『青薔薇連合会』の構成員なんだろう。
帝国騎士団分隊長クラスとなれば、余程の事情がない限り、金に困ることはないのだから。
雇われてやっているのではない。恐らくは。
「今、分隊長以上のクラスで『青薔薇連合会』と関わりがある人間を徹底的に洗っている。少しでも怪しい経歴のある者は全員調べ上げる」
「となると…内通者が何者か、判明するのは時間の問題か」
「今頃、どうやって逃げようか頭を抱えてる最中だろうなぁ」
アドルファスはにやにやしながら言った。
…。
「近いうちに良い報告が出来ることと思う。それまで、今しばらく待っていて欲しい」
フレイソナは自信に満ちた表情であった。
大体のところは、もう検討がついているのであろう。
…成程、そうか。そういうことか。
俺は終始無言のまま、思考を巡らせた。