The previous night of the world revolution

sideルルシー

ーーーーー…自分でも、へまをした自覚はあるのだ。

『青薔薇連合会』に戻ったら、俺はアシュトーリアさんに報告しなければならない。俺は、スパイには向いていない人間だ…と。

俺の潜入捜査は失敗だらけだ。

ルシファーにあっさりと演技を見破られ、利用しているはずの人間と、心を許すような付き合いをし。

挙げ句こうして、自分の正体を悟られてしまった。

帝国騎士団の機密データにアクセスして改竄したのは確かに俺だ。

これは危険な行為だと分かっていたが、でも、家族を守る為には仕方なかった。

『青薔薇連合会』の直轄麾下の一人が、うっかり政府の領分に踏み込むようなことをしてしまったのだ。このままでは、そいつは逮捕されてしまう。

そうさせない為に、俺は危険を承知でデータを改竄した。お陰で彼を守ることは出来たけど、俺は今世紀最大のピンチを迎えている。

多分、もう内通者だとばれるのは時間の問題だろう。さっさと行方を眩ませたいところだが、上手く行くかどうか。

いざとなったら自分が直接出てきて交渉するから、あなたは何も心配しなくて良い。

アシュトーリアさんはそう言ってくれたけど、それが『青薔薇連合会』にとって多大な損益になることは間違いない。

帝国騎士団に借りを作ることになるのだから、当然だ。

出来れば自分で状況を打破したいと思っていた、その矢先だった。