The previous night of the world revolution
「…それじゃあ、早速根回ししますね。早いとこ逃げちゃってください。後のことは心配しないで」

彼が八番隊で助かった。ウィルヘルミナさんを騙すくらいなら、比較的楽だ。

アドルファスとか姉さんの隊だったら、目眩ましに苦労したことだろう。

「…本当に良いのか?」

心配そうな顔で、ルルシーは尋ねた。

「良いも何も、そうしなきゃ気が済まないんです。全力で逃がされてください」

ここで何もせずに、彼が捕まるようなことになったら。

俺は一生後悔するだろう。

たった一人の友達も守れないのかと。

「…あぁ、そうだ。出来れば、俺のこと忘れないでくださいね。さすがに連絡取るのは難しいですけど。でも忘れないでください。俺も忘れませんから」

「…忘れようとしたって、忘れられる訳ないだろ」

お互い様ってことだな。それは

「それと…お元気で。また会いましょうね。いつか、何処かで」

「…済まない。ありがとう。…お前も元気でな」

離れ離れになるのは辛いが、でも、彼が元気で生きていてくれるのなら。

それだけで、俺は生きている意味を見つけられる。

「…ルシファー。ないとは思うが、もし今後何か、困ることがあったら…俺を思い出してくれ。受けた恩は忘れない。俺に出来ることなら何でもするから」

「本当ですか?それは心強い」

『青薔薇連合会』にかかったら、出来ないことなんてないのではなかろうか。

心強いコネを入手してしまった。まぁ、帝国騎士団にいる限り使うことはないだろうが。

「それじゃあ、ルルシー」






















「…さよなら」




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