The previous night of the world revolution

sideルルシー

ーーーーーー…ルシファーが根回しをしてくれたお陰で、俺は驚くほど簡単に、帝国騎士団から逃げ出せた。

表向きは肺の病気ということだが、これはルシファーがでっち上げた真っ赤な嘘で、肺の病どころか健康面には何の問題もない。

馬鹿正直なルシファーは、本当に俺を逃がす為だけに、とんでもない危険を犯してくれたのだ。

こんなことがばれたら、あいつはただでは済まないだろうに。

感謝してもしきれない。彼ほどの得難き友は存在しない。

ましてや、俺は今までずっと彼を騙していたのに。

今度会ったとき、俺は何と言って彼に感謝の言葉を告げれば良いのか。

やっぱり俺はスパイには向いていない。そんなことを考えながら、俺は『青薔薇連合会』に戻った。
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