The previous night of the world revolution
そんな、ちょっとしたハプニングもあったが。

式典は無事、恙無く終わり。

アシスファルト帝国に手を振って、俺は帰国の途に着いた。



…が、忘れてはいけないのが。






「…うぇぇぇ…」

「…飛行機酔いは相変わらずか」

「良いけど、ここで吐くなよ。吐くなら向こうで吐け」

酷い。俺がこんなに苦しんでいるというのに。アドルファスの血は何色だ。

帰りの飛行機でも、俺は見事に飛行機酔いに苦しめられていた。

誰だ。帰りは体感時間が短いから大丈夫とか言った馬鹿。目の前にいたら張り倒してやる。

相変わらず機内食は食べられないし、それどころか横になっているだけでも辛い。

飲んだ水もマーライオンのごとく噴射してしまう勢い。汚くてごめんなさい。

むしろ行きよりも酷くなっている。

というのも、丁度その頃…ルティス帝国上空は、やや荒れ気味のお天気であるらしく。

運行停止になるほどではないが、少し揺れるフライトであった。

これはどういうことなのか。お前みたいな奴帰ってくるなというメッセージなのか。

結局、俺はオルタンスに本気で心配され、さすがのアドルファスも大丈夫か?と言わしめるほどには、深いダメージを負って。

なんとか、ルティス帝国帝都の飛行場に着陸した。
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