The previous night of the world revolution
翌々日、体調が完全に治ってから、俺は姉さんにお土産を渡した。

俺が買ってきた、赤い石の嵌まったネックレスを見て。

姉さんは「またこんな派手なものを…」とぶちぶち言っていたけど。

翌日の体調会議で会ったとき、赤いネックレスをしているのを俺は見逃さなかった。

ちなみにその体調会議の後に、皆さんお土産どうぞー、とアシスファルト名物の金平糖を隊長連に配った。

わざわざ他の隊長の分までお土産を買っていたのは俺だけで(と言うかアドルファスもオルタンスも、お土産の類は買わなかったらしい)。これは俺の株が急上昇だなーと思っていたのに。

快く受け取ってくれたのはウィルヘルミナさんだけで、六番隊のリーヴァは苦笑いで、七番隊のフレイソナは儀礼的に、十番隊のアシタリカは憮然として受け取り。

あろうことか五番隊のアストラエアと九番隊のユリギウスは、甘いものは好かん、とか言って受け取り拒否した。失礼極まりない。泣きそうになった。

姉さんは「お前という奴は…」と呆れ半分同情半分で受け取ってくれ、

仕方ないのでアドルファスとオルタンスにも押し付けるように渡した。

余った二人分は、俺が後でやけ食いするとして。

帝国騎士団隊長連は、俺とウィルヘルミナさん以外、全員人外生物なのだということが分かった。

金平糖を馬鹿にする者は、いつか金平糖に泣くのだ。

受け取ってもくれなかった二人は、俺と金平糖に呪われてしまえ。

半泣きで、俺は余った金平糖をばりばりやけ食いしたのだった。
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