The previous night of the world revolution
ローゼリア女王はその日、朝から謁見の間に赴いた。

文字通り、彼女に目通りする為にやって来た者の相手をするのである。

ローゼリア女王に連れ添って、俺は謁見の間に行き。

彼女の傍に控えて、謁見の様子を見守ることとなった。

まぁ、これも大した仕事ではない。要するにただ見ていれば良いだけだ。

お前呑気だなぁと思われるかもしれないが。

女王に謁見する者は、この部屋に入る前に徹底的にボディチェックを受けている。

金属の類はまず持ち込めないし、少しでも凶器になりそうなものは全て取り上げられている。

ただ衣服を着ているだけで、あとは丸腰のようなものだ。

一方で護衛役の俺は、拳銃も剣も携帯することを許されている。丸腰の人間がいかに掴みかかってこようが、軽くあしらえる自信がある。

だから、そんなに緊張もしていなかった。ただ傍にいて、謁見が終わるのを見守っていれば良い。

そう考えていた。

いや…例え緊張していたとしても。張り詰めた糸のように気を集中させていたとしても。

結局は、全部無意味だったのだけど。

どちらにしても、それは俺にとって、抗えない、逆らうことの出来ない運命だった。
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