The previous night of the world revolution
次に目が覚めたとき、最初に視界に映ったのは、またしても真っ白な天井だった。

…あぁ、俺は生き残ったんだな、と思った。

死ねなかったんだ。生き残ってしまったんだ。

でも、これでルルシーに絶交されないから、良かった。

ぼんやりと天井を眺めながら、俺はまたしても、四肢を拘束されていることに気がついた。

とはいえこの拘束は、囚人を捕らえる為のそれではなく。

真っ白な、医療用の拘束具であった。

恐らく、自傷の恐れがあるからだろう。

「気がつきましたか?」

俺が意識を取り戻したことに気づいたのか、看護師さんが声をかけてくれた。

今度は冷たくあしらわれることはなかった。柔らかな笑顔を浮かべていた。

「身体動かせなくて辛いでしょうけど…。もう少し我慢してくださいね」

「…」

俺が何も答えずにいても、看護師さんは少しも嫌な顔をしなかった。

そして、ルルシーさん呼んできますね、と病室を出ていった。

ルルシーは、五分足らずで戻ってきた。
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