The previous night of the world revolution
かと思えば、調子が良い日もあるのだ。

そういう日は珍しいけど。

理由はないが心が晴れやかで、そういう日に外に出ようと誘われると、行ってみても良いかな、と思える。

食事もある程度食べられるし、スタッフともルルシーとも、それなりに会話が出来る。

このまま回復するかな、って希望が持てるときも、あるのだ。

けれどそれは、いきなり、唐突に真逆に変わる。

切っ掛けは色々だ。過去の記憶がフラッシュバックしたり、あるいは左手の手首に残された、深いリストカットの痕が視界に入ったり。

その瞬間に、俺の心は暗闇に逆戻りする。

そういうときはもう駄目だ。自分でも何が何だか分からなくなって、暴れてしまう。錯乱してしまう。

腕に何かを注射されて意識を失って、目が覚めたら手足を拘束されているのだ。

最悪の気分だった。

やっぱり無理だ。俺はもう回復することはない。

一生このままなのだ。精神病院に一生閉じ込められて、きっとルルシーにもいつか忘れられて、誰にも顧みてもらえないまま、薬漬けにされるだけ。

そう思うと辛くて、一人でさめざめと泣いた。

後になって思えば、この日々は…帝国騎士官学校でいじめられていた頃と変わらないくらい、辛い日々だった。
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