The previous night of the world revolution
「…あははは」

何で、こんな簡単なことに気づかなかったのか。

俺、何も悪くないじゃないか。最初から俺は、何も悪くなんてないんだ。

悪いのは全部、俺以外の人間だ。

だから、俺が自分を責める必要なんてない。

むしろ俺は、憎むべきなのだ。

俺を不幸にした全ての人間を、呪い殺すべきなのだ。

何でもっと早く気づかなかった。二年も無駄にしてしまった。

でももう気づいたから。気づいたからには。

「あははははは!」

突如として豹変した俺に、スタッフはぎょっとしたようにこちらに駆け寄った。

俺がまた錯乱したと思ってるんだろうが、生憎錯乱したのではない。

逆だ。俺は、正常に戻ったのだ。

ようやく、自分を取り戻したのだ。
























「…お前ら、絶対に許さないからな」

スタッフに取り押さえられながら、俺はテレビ画面の向こうにいる人間達に向けて、そう呟いた。




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