The previous night of the world revolution
その後、部屋に戻って写真を撮ったりしていたら。

「お邪魔ーっす…ってふぁ!?」

「おい、入り口で止ま…!?」

「…へぇ…」

恐らく野次馬しに来たのであろう、アリューシャ、ルルシー、アイズの三人は、すっかり様変わりしたシュノさんを見て、それぞれそんな反応であった。

「や、やべぇ…。こいつ、本当にシュノか?そっくりさんの可能性ない?」

「紛れもなく本人ですよ、本人」

まぁ、気持ちは分かるけど。

「元々美人だとは思っていたけど、飾れば変わるもんだね」

アイズは評論家のように、顎に指を当ててシュノを眺めていた。

そう。シュノさんの下地が良いのだ。俺の腕も良いけどね。

「と言うか、これルレイアがやったのか?」

「はい」

「お前、美容師か何かに転職しろよ…」

俺もそれはちょっと本気で考えました。

「俺のこの、美しいコテ使い。もしかして天才なんじゃないかって思えますね」

「お?マジ?ルレ公、アリューシャにもコテやってくれ!」

「あなた髪短いんで無理です。ルルシーくらいの長さがあれば…」

「…おい。俺を実験台にするなよ」

練習させてくれないかなー、とじーっと見つめてみたが。

ルルシーは嫌そうな顔で拒否した。

後でやらせてもらおう。ルルシーが押しに弱いことは分かってるからな。

「あぁ、それとコスメ返します。ありがとうございました」

「おぉ、気にすんな。これを機にルレ公もメイクデビューしようぜ!」

「考えておきます」

人間、やっぱり見た目って大事だなぁと思った。

シュノさんはその日、ずっと上機嫌で、何度も鏡を見てはにこにこしていた。

どうやら想像以上に喜んでもらえたようで、何よりだ。
< 363 / 626 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop