The previous night of the world revolution
言わずもがなだが、俺が所属する『青薔薇連合会』は非合法組織である。

それが組織の利益になるのなら、いかなる犯罪行為にも手を染める。

とはいえ俺達も、何でもかんでも暴力に訴えて全てを解決する訳ではない。

もっと『綺麗』な…つまり、血を流さない商売も多い。

経営難の企業に金を貸し、その見返りに多額の上納金を要求して納めさせることも、その一つである。

これはマフィアがよくやる常套手段で、同時に良い稼ぎになる。

企業の方も、マフィアから融資を受けられるというメリットがある。そういう企業は大抵後ろ暗いところがあるから、真っ当な手段では金を借りられないのだ。

けれど、時折…マフィアから融資を受けたにも関わらず、決められた上納金を支払えない奴らがいる。

そういう者達がどうなるかというのは、想像通りなのだが。

まぁ、非合法組織から金を借りるという行為がどういうことを意味するかは、お互いよく分かっているという前提である。

この類の連中は、時折いる。

そういうとき俺達の仕事は、震えながら支払い期限を伸ばしてくれと土下座で訴える能無し共を、淡々と処分するだけで事足りるが。

…稀に、もっと質の悪い奴らがいた。

『青薔薇連合会』に尻尾を振っておきながら、他の非合法組織にも癒着して、甘い汁を吸おうとする…愚か者が。

今回俺達のもとにもたらされたのは、その案件であった。
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