The previous night of the world revolution
「ルルシーさん、おはようございまーす」

「あぁ、おはよう」

ルルシーは俺の顔を見るなり、じろじろと全身を見回した。

物凄く怪訝な顔で。

「…何ですか?」

「またドえらい格好だな…」

「似合うでしょう?」

くるん、と回って見せる。

今日のコーディネートもばっちり決まっていると思うのだが。

「いや、もう慣れた」

「そうですか」

と、そこに。

「ルル公、ルレ公、はよーっす」

「あ、アリューシャ」

今日のアリューシャのアイシャドウは、青だった。

青も良いなぁ。

「アリューシャ、そのアイシャドウ良いですね」

「だろ?今度貸してやるよ~。新作の色だぜ」

「…ルレイアがこんな格好にハマったのは、間違いなくお前の影響だな」

ルルシーは、アリューシャを睨みながらぽつりと呟いた。

確かに、アリューシャの影響である。

爪のマニキュアも、メイクも、香水も、全部アリューシャから習った。

今ではコスメをお互い試し合ったり、ネイルサロンに一緒に通ったりする仲である。

「良いじゃないの。アシュトーリアさんも似合うって言ってたじゃん」

「あの人は、何をしても似合うって言うだろ…」

メイクアップした俺を見て、アシュトーリアさんは朗らかな顔で、素敵ね、と言ってくれる。

今ではすっかり、彼女からの信頼を得ている。

…彼女の、愛息子の一人として。

そう。俺は今では、最早シュノさんの部下ではない。

俺もまた、ルルシーやシュノさんと同じ…『青薔薇連合会』の、幹部である。
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