The previous night of the world revolution
しばしリーフリルさんの腕の中で泣いた後で。

「あの、ルシファー様。私に出来ることがあれば、何でもします。何でも言ってください」

まさか、自分からその台詞を言ってくれるとは。

効果覿面過ぎて、逆に怖くなってくるな。

「そんな、何でもって…」

「何でもします。今の私があるのは、全部ルシファー様のお陰なんですから」

リーフリルさんは、きっぱりとそう言い切った。

「ルシファー様だけが、私を理解しようとしてくれた。本当の意味で私を助けようとしてくれた。私の話を聞いてくれた…。あのときのことを、私は忘れたことはありません」

どうやらあの立てこもり事件で、随分俺を神格化してくれたようだ。

正義からの行動とはいえ、あのときの自分に拍手を送りたい。

まさかこんなところで役に立つとは。

少しくらいは感謝をしてくれているものと踏んで、彼女をターゲットにしたのだが…。彼女が恩を忘れない人間で助かった。

「私の心は、あなたのものです。だから、私に出来ることがあれば…何でも言ってください」

「リーフリルさん…ありがとう」

俺は、万人を魅了する笑顔で答えた。

さてと。もうここまで来たら、洗脳は済んだようなものだ。
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