The previous night of the world revolution
その後俺は、真っ直ぐルルシーのもとに向かった。

「ルルシーこんにちはー」

「…」

ルルシーは俺を見るなり、うげ、という顔をした。

「…つくづく女の敵だな、お前は」

「え~?何のことですか?」

「何のことですかじゃない。『事後』だろお前」

ルルシーまで。俺ってそんなに雰囲気出てるの?

「これでもシャワー浴びてきたんですよ。アイズ達がうるさいから」

「シャワー程度じゃ消えないんだよ。せめて香水をつけろ、香水を。いつものオリエンタルな奴じゃないぞ。爽やかな香水をつけろ」

「俺、爽やかな香水好きじゃないんですよね」

やっぱり香水は、清潔感じゃなくてロマンティックさを感じられないと。清潔だけで良いなら制汗剤で済む話だ。

それよりも。

「ねぇねぇルルシーさん。俺の仕事も無事済んだ訳ですし、カラオケ行きましょうよ」

「はぁ…?」

最近の俺の趣味は、メイクやネイルでも、美女を摘まみ食いすることでもない。

ルルシーとのカラオケである。

「行きましょうよ~」

「お前な…。俺はまだ仕事が残ってるんだぞ?」

「じゃあ予約取っておきますね。夜のフリータイムで」

「話を聞け。仕事残ってるって言ったろ」

「夜の10時に駅前のカラオケ屋に集合ってことで。それでは」

さっさと約束を取り付けて、カラオケ屋に予約する為に携帯を取り出す。

ルルシーはもう諦めた、みたいな顔をしていた。

何だかんだ言いつつも、毎回付き合ってくれるのだからルルシーも優しい。
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