The previous night of the world revolution
「証拠不充分」の名目で『RHC』のトップが釈放され、無事で良かったね、見返りは分かってるな?の意味を込めた会食を行ったその日。

俺はその日、ルルシーと二人で、またしてもカラオケに行っていた。

ルルシーはまたかよ、と断ったのだが。

『ポテサラーズ』のニューシングル、『恋のポテチ大論争~うすしおvsのりしお~』がデュエット曲であり、一人で歌うのはしんどくて。

俺がうすしおパート歌うので、あなたのりしおパート歌ってください、とごり押して、無理矢理連れていった。

二人で96点というハイスコアを叩き出して満足したところで、俺はルルシーと一緒に帰宅する途中であった。

「全く、『ポテサラーズ』が新曲出す度にカラオケばっか行きやがって…。大体何だよ、薄塩だののり塩だの。この間コンソメ出したばっかだろ」

「あぁ、そのシリーズで秋にアルバム出すらしいですよ。『ポテサラーズ・ベストポテトチップスアルバム』」

「ふざけてるにも程があるが、メロディが良いから仕方ない…」

実は同時期にライブツアーも開催されるらしくて、俺は既にチケットを取った。勿論、ルルシーの分もだ(無断)。

ルルシーはぐだぐだ文句言うかもしれないが、無理矢理連れていこう。一人で行ってもつまらないし。

アリューシャも行くって言ってたから、三人だな。

「ねぇルルシー」

「何だよ」

「今晩夕飯集りに行きますね」

「来るな」

「俺的には、今日はお魚が良いなぁ」

「お前…」

ルルシーは色々と言いたそうな顔をして、何か言おうとしたのだが、にこにこしている俺を見て、結局溜め息を一つついて。

「…シチューで良い?白身魚の」

「わーい」

ルルシーのご飯はいつも美味しいから大好きだ。

何だかんだ言いつつも作ってくれるからなぁ。

「お礼に今度、コテで巻き髪してあげますね」

「やめろ。自分の髪でやれ」

「やってますよ」

今日もくるくる。今朝はシュノさんにもくるくるしてきた。

ルルシーの髪が一番ふわふわしていて、触り心地も良いし、弄り甲斐があるのに。

あんまりやらせてくれないんだよなぁ。

「俺、今度はロールブラシ型のコテを買ってみようかと…」

俺がそう言いかけた、そのときであった。

二人で道を歩いていた俺の背後から、鋭い殺気が迸った。




「っ、ルレイア!」



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