The previous night of the world revolution
ルルシーは鋭い声で警告したが、俺には必要なかった。

振り向いて、ナイフを向けるその手をはたき落とし。

同時に、ナイフを持っていた暗殺者の腹部に、強烈な一撃を叩き込んだ。

暗殺者はそれだけで膝をつき、胃液をぶちまけていた。相当深く入ったらしいな。

「…あれ?」

そこでようやく俺は、その暗殺者が女であることに気がついた。

顔も見ずに攻撃してしまった。

「大丈夫か、ルレイア」

「はい、俺は無傷ですけど…」

膝をついた暗殺者は、苦しげに呻き、起き上がれないようだった。

「なんか…済みませんね。子宮潰しかけちゃいました」

女性相手に腹パンとは。仕掛けてきたのは向こうとはいえ、男としてそれはどうかと思うぞ。

暗殺者は憎らしげに俺を睨むが、やはり起き上がれない。

「…誰だ?こいつ」

「さぁ。知らないですけど」

「お前が泣かせた女の一人なんじゃないのか?」

「失敬な。俺は女が用済みになったらちゃんと殺して、円満に別れてますよ」

「それは円満とは言わん」

こうして逆ギレされて暗殺仕掛けられるのも面倒だからな。

それでこの女は、一体誰だ?
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