The previous night of the world revolution

エリュシアを自分の従者…もとい、奴隷にしたのは、何も彼女の見た目が好みだったとか、プロポーションが良かったからに限らない。

それも理由ではあるけれど、それだけじゃないのだ。

彼女のその、目が。強い意思を宿した目。主人に忠誠を尽くすその誠実さ。そして、彼女は従者の身でありながら、高貴な雰囲気を持っていた。

それはまるで、そう…俺の姉のような。

だから俺は、その高貴な彼女のプライドを踏みにじった。徹底的に凌辱して、痛めつけた。彼女が俺に屈服するまで、それは続いた。

散々厳しくして、打ちのめした後で、飴を与えた。鞭だけでは人間は心から服従しない。反抗心を育てさせるだけだ。

だから飴を与えた。痛め付けた後に、優しくしてやった。鞭を9つ与えた後に、飴を1つ与える。そうすれば人間は、その1つの飴にすがるようになる。

誰だって厳しくされるより、優しくされた方が良い。

彼女が大人しくしていれば、努めて飴を与えた。その結果、彼女は学習した。

大人しく従順に振る舞えば、優しくしてもらえるのだと。

これを学習させれば、あとはもう時間の問題だ。

想定より時間はかかったが、今では彼女はすっかり俺に心酔していた。

俺には絶対に逆らわないし、言う通りにする。

恐怖による支配ではない。崇拝だ。ただ、俺をフランベルジュに代わる主と認めさせただけだ。

一度洗脳してしまえば、あとは楽だ。彼女は元より、主には忠誠を尽くす人間なのだから。

これからは俺の下僕として、大いに働いてくれることだろう。

ついでにアシュトーリアさんに頼んで、エリュシアが『青薔薇連合会』に所属することを認めてもらった。俺の下僕なんだから、彼女には常に俺の手足になってもらわないと困る。

ちなみに、アシュトーリアさんは俺がエリュシアを洗脳してマフィアに引き入れたことについて、特に咎めはなかった。新しい玩具を手に入れたのね、くらいの反応だった。

そんな訳で俺は、便利かつ美人な奴隷を得た。

エリュシアも暗殺者から俺の奴隷と、出世したもんだ。

彼女にとっては、あのままルルシーに撃ち殺されていた方がましだったんだろうけど。

まぁ、運が悪かったということで。俺に出会ってしまったことが、彼女の運の尽きだ。