The previous night of the world revolution
それからおよそ二週間ほどかけて、ルクレツィアことルーさんは回復した。

体力も戻ったらしく、もさもさとエサを食べるルーさんを見て、シュノさんも嬉しそうであった。

その日も幹部会議の後に、シュノさんは楽しげに報告してくれた。

「ルレイア、聞いて。ルーちゃんがね、ゼリー食べてくれたの」

「へぇ、食べてくれましたか」

ゼリーは個体によって食べない子もいると聞いていたのだけど、ルーさんは大丈夫だったらしい。

ちなみに食い付きが良いのはミルワームやコオロギなのだが、見た目が結構アレなので、シュノさんは触れないらしかった。

俺はそういうの平気だから、ピンセットでその手のエサをやったら、ルーさんは美味しそうにもさもさ食べてくれた。

食べてるところを見たいけど、グロいエサを見るのは嫌なようで、手のひらで目を隠しながらちらちらルーさんを盗み見ているシュノさんは、ちょっと可愛らしかった。

「すっかり元気になって、本当に良かったわ」

「えぇ、良かったですね」

あの子達は夜行性なので、動き出すのは夜だ。

だから夜になったらまた、ミルワームあげようかなぁ。

香水は、ちょっと薄目にして。

…と、そんな風に、にこやかにシュノさんと話している俺を。

ルルシーは、じっ…と見ていた。
< 416 / 626 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop