The previous night of the world revolution
その頃、ルティス帝国の裏社会では、血生臭い事件が続いていた。







ルティス帝国の各地にある、『青薔薇連合会』の地下武器庫。

「…あーあ。こりゃ派手にやらかしましたねぇ」

…現場に駆けつけた俺は、その惨状に思わず溜め息をつきそうになった。

何処を見ても死体の山。爆発物でも使ったのか、肉片すら飛び散っている。

素人なら目を背けたくなるような光景でも、根っからの悪人となった俺にとっては、割と日常的だ。

だが最近は、特にそれを見ることが増えた。

自分の家族が血を流して泥の上に転がっているのを見ると、さすがに気分は悪い。

これが敵の死体なら、踏みつけて歩いても何とも思わないが。

「…これ、やっぱり『厭世の孤塔(えんせいのことう)』が?」

「…そうだと思われます」

「ふーん…」

『青薔薇連合会』の武器庫に侵入し、見張りの仲間を殺害し、武器庫を荒らしていったならず者は。

どうやらやはり、『厭世の孤塔』であるそうだった。
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