The previous night of the world revolution
ーーーーーさて、『青薔薇連合会』では。

結局、話し合いの末、『厭世の孤塔』とは一応、和解した。

エーデルガルトも、あの影武者も生かして帰した。

とはいえ、あの影武者はもう、帰った先で多分死んでると思う。帰したときには既に、虫の息だったし。

言わずもがな、激しい拷問の結果である。

俺も存分に腕を振るわせてもらった。だってほら。MVPになれなかったし。

『厭世の孤塔』には破綻するほどの賠償をむしりとって、ひとまず形だけ許しはしたけれど。

この件で多くの部下を失い、エーデルガルトも名誉をずたずたにされた。事実上、『厭世の孤塔』はお仕舞いだろう。

大方、弱ったところを他の非合法組織に付け入られて潰されるんではなかろうか。

まぁ、そんなこと俺達には知ったことじゃない。

『厭世の孤塔』の後処理をした後で、俺達は今回の件で亡くなった仲間達を丁重に供養した。

マフィアという組織柄、仲間が死ぬのは珍しいことではない。

けれども、毎回いちいち仰々しく葬儀を行うのはアシュトーリアさんの方針である。

『青薔薇連合会』の構成員は全員家族であり、家族が亡くなったら、皆でお葬式をする。

それが当たり前だ、と。

だから『青薔薇連合会』ではお葬式は日常茶飯事ではあるけれど、一度にこれほどたくさんの人間を送るのは初めてだった。

ちなみに『厭世の孤塔』への奇襲攻撃を行った幹部五名であるが、全員大した傷もなく無事に帰還した。

アリューシャが、スコア的にアリューシャがMVPだな!とどや顔してたので、仕方なく非MVPの俺がその日のディナーを奢った。

この借りはいつか必ず返してやる。

そして、『厭世の孤塔』への処理と葬儀が終われば、まだやることが一つ残っている。

帝国騎士団だ。
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