The previous night of the world revolution

sideルレイア

ーーーーー…正直なところ、物凄く気持ちが良かった。

かつての忌々しい同僚達に、何よりオルタンスに、俺が生きている姿を見せられたことが。

ざまぁみろ、と叫びたくなった。

あぁ、俺マフィアに入って、本当に良かった!

ぞくぞくするほどの快感だった。

アシュトーリアさんに怒られるのは嫌だから、その後は俺も、ちょっと控える気になったけど。

それはあくまで、露骨な攻撃はしないという意味だ。

その後の補償や賠償をどうするかという小難しい話をアシュトーリアさんが話している間、俺は暇を持て余して、そっと隣のルルシーに話しかけた。

「ねぇねぇルルシー」

「…何だよ」

「今日の夕飯のことですけども」

「またか。食費払えよ」

「代わりと言ってはなんですが、今日俺の秘蔵のワイン持っていきますね」

「うん…?」

「超気分良いんですよ、俺」

何せ、およそ三年越しの復讐が為された訳だからな。

こんなことで済ませる気はないが、今日は凄く…そう、溜飲が下がった。

大満足である。

今日こそ、百万越えのワインを開けるべきだろう。

「あ、そう…。良いけど、あんまり飲み過ぎるなよ」

「え~」

「千鳥足で家まで帰れんだろ」

「そのときはルルシーん家に泊めてくださいね」

「断る」

酷い。家広いんだから良いじゃないか。

「同じベッドで寝ても俺は全く気にしませんよ?」

「俺が気にするんだよ。お前は夜になったらルレイアフェロモンが凶悪さを増すからな。男でも女でも一晩一緒に寝たら虜になると噂の人間と、誰が好き好んで同じベッドで寝るか」

ルレイアフェロモン、これを命名したのはアリューシャである。

「そりゃ確かに、俺との夜が忘れられないって輩は腐るほどいますけど。ルルシーとは何もしませんよ」

「俺が嫌だよ。何が嬉しくて男相手に欲情しなきゃならんのだ。泊めてはやるけどベッドは別だ」

あ、泊めてくれるんだ。

ルルシー優しい。惚れてしまいそうだ。

「はいはい。アリューシャもルルシーん家泊まる」

そこでアリューシャまで会話に乱入してきた。

「良いけど、来るならルレイアと一緒に寝ろよ」

「え、やだよ!ルレイアと一つベッドを共にするって、それどんな苦行だよ」

「ちょっとちょっと。皆して俺を淫獣か何かのように…」

「お前は淫獣だ」

酷い。仲間だと思っていたのに。

まぁ確かに、淫獣と呼ばれても否定は出来ない訳だけど?
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