The previous night of the world revolution
そして、その隊長会議が終わった後。

リーヴァは、二番隊隊長のルシェの背中を呼び止めた。

「ルシェ殿、大丈夫か?」

「…何が?」

姉は素っ気なく振り向き、そう尋ね返した。

「何が、と…。弟君のことだ。身の無事は確認出来たが、しかし彼がまさか『青薔薇連合会』に…」

そこまで言って、リーヴァは凍りついた。

姉の、その目。

凍てつくような、冷たい目。

それは、かつて大事にしていた弟に対する…そして、自分を裏切った弟に対する、憎しみの目だった。

「…あれのことを、二度と私の弟などと呼ぶな」

「…」

リーヴァが絶句している間に、姉は背中を向けて歩き出した。

最早彼女に、弟への愛情など欠片も残っていなかった。

…俺の中に、姉に対する愛情が欠片も残っていないのと同じように。




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