The previous night of the world revolution
「…それはともかくとして」

「はい?」

ルルシーは突然、ジトッ、と俺を睨んだ。

「お前、シュノとのデートでそんな服着ていくつもりか?」

「ほぇ?」

デート…。まぁ、デートということになるんだろうけど。

そんな服、とはどういうことか。

「格好良いでしょう?」

今日も全身黒ずくめ。銀のチョーカーは最近卸したばかりのおニューだ。

「そんな格好で街を闊歩するな。もっと一般人の格好をしろ」

「えぇ~?」

「夜ならまだしも、出掛けるのは昼間だろ。もっとましな服を着ろ」

酷い。めちゃくちゃセンス良いと思ってたのに。

「前々から再三言ってきたがな…。良いか、昼間はな、一般帝国民の時間なんだ。俺達夜の人間の時間じゃない。郷に入っては郷に従えって言うだろ。目立つ格好をするな」

「…えぇ~…格好良いのに~…」

「格好良いか否かはどうでも良いんだよ」

酷い。

ルルシーには分からないんだ。俺のファッションセンスというものが。

「それに、お前がそんな奇抜な格好してたら、隣にいるシュノまで怪しまれるだろ。良いから、まともな服を買ってこい」

「まともなって、どんな感じですか」

「世間一般の男子大学生風の装いをしろ」

俺、大学行ったことないから分かんないよ。

まぁ、要するにあれだろ。普段のルルシーみたいな格好すれば良いんだろう?ルルシーの服は目立たないからな。

俺の好みには合わないが、シュノさんまでじろじろ見られたら彼女に申し訳ない。

仕方ないから、ルルシーの言う通りにするか…。

「じゃあ買ってきますよ」

「あぁ、そうしろ」

「今から」

「今からかよ?」

今日は、もうやる仕事もないし。

「夕飯のとき着ていきますから、評価してくださいね」

「…しれっと夕飯集りに来るなよ…」

なんて、文句は言いつつも用意しててくれるから、本当ルルシー大好き。
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