The previous night of the world revolution

sideルルシー

ーーーーーー…何故、いつもいつも。

俺の執務室は、幹部組の溜まり場になるのか。

「ルールー公~!今日の晩あれ食べてみたい。ビーフンストローガノンって奴!ルル公作って!」

「何だよそれ…。あと、集りに来るなよ…」

ビーフンに何入れるんだ。ストローと…何?

それは食べ物なのか?

「ビーフストロガノフのこと?」

「そう!アイ公あったま良い~!」

アイズの解説でようやく分かった。

アイズが頭良いんじゃなくて、アリューシャが馬鹿過ぎるんじゃないのか。

「それ作ってよル~ル公」

「面倒臭い奴だな…」

ビーフストロガノフって、そもそもどうやって作るんだ?

まずそこからなんだが。

…仕方ない。後でレシピ…調べておくか。

自分の甘さに涙が出そうだと思っていた、そのとき。

またしてもノックの一つもなく、俺の執務室に新たな来訪者が来た。

俺達はその人物の顔を見るなり、ぎょっとした。

「しゅ…シュノ!?」

シュノは、目に大粒の涙を溜めて俺の部屋に飛び込んできた。

今すぐにでも声をあげて泣きそうなほどだ。

い、一体彼女に何が?

「どうしたんだ?シュノ…」

「何があったの?」

「誰に泣かされたんだシュー公!」

あのシュノが泣くなんて、一体何があったらそんなことになるんだ。

「…ルレイアが」

ひくっ、としゃくりあげて、シュノは泣きそうになりながら(と言うかほぼ泣いてる)、ぽつりと言った。

…ルレイア?

「ルレ公か!あいつは基本的には女の敵だからな。ようし、アリューシャが奴の股間をライフルでぶち抜いてやる!」

「やめてやれ」

事情は知らんが、そんなことをしたらルレイアの仕事がなくなってしまう。

「落ち着いて、シュノ。何があったのか話して」

興奮するアリューシャをよそに、アイズは冷静に尋ねた。

「…ルレイアが」

シュノは涙を拭って、もう一度そう言った。

「…ルレイアが、女の人と歩いてたの」

俺達男三人衆は、揃ってぽかんとした。
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