The previous night of the world revolution
翌日。

出社するなり、アリューシャを筆頭に、アイズとルルシーが飛んできた。

「ルレ公ーっ!お前何処まで行った?何処まで行ったんだよ!?成層圏辺りまで行ったろ!?」

「はぁ…?」

いつ俺は宇宙旅行に行ってきたんだ?

「ルレイアの手の早さと来たら、ダチョウの走行速度並みだからね…。確実に成層圏には行ったろうね」

アイズまで。俺を何だと思ってる。

「一体何の話ですか」

「惚けてんじゃねぇ。昨日シュー公とデートだったんだろ?」

あぁ、その話。

と言うか、何で俺のプライベートは幹部組に筒抜けなんだ?

「やったんだろ?行ったんだろ成層圏まで!」

「下世話ですねあなた達…。何でそんなことを気にするんですか」

そりゃ行ったけどさ。ホテル…成層圏まで。

「別に責めてる訳じゃない。むしろ、私は喜んでるんだよ。彼女がそこまで心を許せる人間が現れたことにね」

「本当良かったよなーシュー公!よし、ルル公。今日は赤飯だぞ!」

「お前、面倒臭いリクエスト…。…まぁ良い。今日は赤飯でも何でも作ってやるから、シュノも誘って一緒に来い」

赤飯って…。初潮じゃないんだから…。

よく分からないけど、皆喜んでるみたいだ。

俺も喜んで良いのか?

「…ルレイア、気にするな。お前はシュノを救ったんだ」

「…ルルシー」

俺の内心を見透かしたように、ルルシーはそう言った。

「…俺にとってのルルシーみたいに、俺はシュノさんにとっての救世主になれたんでしょうか?」

「あぁ。きっと」

…そう。

そうか。

なら、これで良かったのかな。

そう考えると、今の俺でも、ちゃんと存在する意味があるのかなと。

思えるのが、嬉しかった。
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