The previous night of the world revolution
その日、俺とルルシーは、お話があるの、とのアシュトーリアさんの申し出により、彼女のもとに向かっていた。

「しかし何ですかねぇ。お話って」

「さぁ…。そもそも何でお前と、なんだろうな」

え。何その言い方。

「ルルシーは俺とお仕事するの嫌ですか?」

「あぁ。仕事を一緒にするのは嫌だな。隣にいるとお前のフェロモンに直に晒されるからな」

「ひ~ど~い」

人をまるで、放射能か何かのように。

俺はルルシーとお仕事するの、良いけど。

帝国騎士団にいた頃は、所属が違っていたから全然一緒に仕事出来なかったし。

何よりルルシーが隣にいることが嬉しい。



アシュトーリアさんの執務室に入ると、彼女はいつも通りの笑顔で迎えてくれた。

どうやら、急を要する仕事ではなさそうだ。

「よく来てくれたわね、二人共。紅茶を飲む?アシスファルトから取り寄せた砂糖菓子があるの。食べる?」

物凄く呑気だから、やっぱり大きな仕事ではなさそう。

折角のお誘いを、俺は受けるつもりだったのだが。

真面目なルルシーは、渋い顔をして断ろうとした。

「アシュトーリアさん、俺としては早く本題に…」

「まぁまぁルルシー、良いじゃないですか。紅茶を飲みながら楽しく漫談しようじゃないですか」

「…お前はまた呑気な…」

俺が思うに、ルルシーは真面目過ぎるのだ。

もっと余裕を持って生きた方が良いと思うぞ。

「そうそう、呑気に行きましょうよ。どうせ楽しい話じゃないのだから、少しでも楽しくするべきだわ」

ほら、アシュトーリアさんもこう言ってる。

…え?楽しい話じゃないの?

ということは、気が進まない感じの仕事を頼まれる訳か。

それは、ますます紅茶の一杯でも飲まなければやってられないな。
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