The previous night of the world revolution
そんな訳で結局、紅茶を飲みつつ、かつ砂糖菓子を頂きながら。

ルルシー、アシュトーリアさんと三人で、楽しく優雅なお茶会である。

これで頼まれる仕事が愉快なものであったなら、言うことなかったのだけど。

「…それで、話というのは?」

早速本題に入ろうとするルルシー。

どうせ楽しい話じゃないのだから、もう少しのんびりすれば良いのに。

「…あのね、言いにくいのだけど…。二人共、今度帝国騎士団の創始800年の記念式典があるのを知ってる?」

「…あ~…」

そうか。そんなのあったか。

あの組織、もうそんなに長くあるのか。

早く滅びれば良いものを。

「当然その式典に、私達も呼ばれてる訳なんだけど…。私が行くと角が立つから、あなた達、私の代わりに行ってくれないかしら」

「…」

成程。そりゃ楽しい話じゃないなぁ。

「俺が行ってもそれなりに角が立つんじゃないですかねぇ?」

何と言っても、面が割れてる訳だし。

お互い因縁浅からぬ身だから、むしろ俺が行く方が角が立つのでは?

「いつもならアイズに頼むところなんだけど、あの子はまだ本調子ではないし…。シュノは人見知りする子だからああいう場には連れていけないし、それにアリューシャは…」

「…駄目ですね」

「駄目でしょ?」

俺以上に駄目だな。

人柄は良いとして、余計なトラブルの元になりそうだから駄目だ。

俺も人のこと言えないけどな。

「だからルルシー。でもルルシーだけじゃ寂しいだろうから、ルレイアも」

「成程~。ルルシー寂しがり屋ですからね~」

「いえ、アシュトーリアさん。俺一人でも全然大丈夫です。ルレイアは置いていきましょう」

「ちょっとルルシ~」

俺と一緒がそんなに嫌だと?それはあんまりではなかろうか?

俺達は、友達ではなかったのか。

「ルルシーだけそんな楽しそうなところ行くなんてずるいですよ」

「楽しくなんかない。お前、ただ冷やかしたいだけだろ」

ばれてる。

「それにほら、一人だと危ないですよ?一応敵の巣窟なんですから」

俺達に手を出せばたたでは済まないと分かってはいるだろうが、それでも敵の中に入っていくことには変わりない。

「そうよ、ルルシー。あなたの実力を疑う訳ではないけれど、念の為にルレイアもいた方が良いわ」

「…分かりました」

アシュトーリアさんにまで言われるとさすがに断れないらしく、ルルシーは渋々承諾した。

「それじゃ、二人共お願いね。くれぐれも気をつけて」

「はーい。了解です」

「お任せください」

素晴らしい。帝国騎士団の連中と、またしても顔を合わせることが出来るとは。

俺にとっては、胸が踊るシチュエーションである。
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