The previous night of the world revolution
「…よし。今こそコネを使うべきとき」

「は…?」

何の話だ、と言いたそうなルルシー。

「ルルシー、ちょっとここで待っててください。目立たないでくださいね」

「お前に言われたくない。何処に行くんだ?」

「ちょっとコネを、こねこねしに」

「はぁ…?」

そんな、こいつ馬鹿か?みたいな顔をしないで。

「かつての同僚とお喋りしてくるだけですよ」

「同僚って…。お前、喧嘩は売るなと」

俺がまた殴り込みに行くのではないかと、ルルシーは止めようとした。

でも今回は、別に喧嘩を売りに行く訳ではない。

そもそも俺は、元より平和主義の人間なのだ。

俺以上に平和を愛する人間も珍しいだろうと自負するほどに。

だから喧嘩ではない。むしろ逆。

「大丈夫。旧交を温めてくるだけです」

「…危険な真似はするなよ。良いな?」

「了解です」

渋々、という様子でルルシーは承諾してくれた。

しかし。

「…もし危険な真似をしたら、お前とは二度と一緒にカラオケ行ってやらんからな」

「やめて。それは困る」

俺の。俺の大事なデュエット相手が。

「だから危険なことはするな」

「…分かりましたよ」

今後も楽しくルルシーと『ポテサラーズ』を歌う為、俺はなんとしても、危険を避けなければならなくなった。

まぁ、危険を犯すつもりはないのだが。
< 543 / 626 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop