The previous night of the world revolution
「あら、そうなの」

「…」

『青薔薇連合会』に戻り、あのアホな四番隊隊長のことを報告すると、アシュトーリアさんはこの反応であった。

本気にしていないのか…。本気にしていたとしても、可能だとは思っていないのか。

「帝国騎士団には血気盛んな子がいるのねぇ」

「そのようですね」

「まぁ、そんなことが本当に可能だとは思えないけど…。一応対策はしておくべきかしらね」

同感である。

だから、俺もちょっとした『対策』をしてきた。

「…いっそ、あの男を殺しますか?」

ルルシーは、声を低くしてそう提案した。

まぁ、それも手ではある。あんなに過激な反マフィア人間はあいつくらいだろうから、あいつを一人殺せば解決だろう。

とはいえ。

「今殺したら、確実に私達の関与を疑われるわね」

…そうなるだろうなぁ。

暗殺するにしても、四番隊隊長ともあれば簡単には殺させてくれないだろうし。

殺したとしても、あいつを殺せる人間は限られる。俺達の仕業だとすぐばれるだろう。

「暗殺は最終手段かしらね。とにかく情報が欲しいわ。あなたが落としたあの分隊長の子は、そこまで踏み込めるかしら?」

「あぁ、それなら大丈夫です。もっと便利な人間を落とせそうですから」

リーフリルなんかより、もっと便利な女を。

「ただ、あの女はちょっと手間がかかりそうなので、少し時間がかかるかもしれません」

「あら、さすがに手が早いわね」

それは俺にとって、素晴らしい褒め言葉だ。

「良いわ。じゃあルレイア。この件の情報収集は任せるわね」

「了解です」

早速明日から、動いてみることにしよう。
< 549 / 626 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop