The previous night of the world revolution
午前一番にアシュトーリアさんへの報告を済ませ、午後になると、俺はいつも通りルルシーを冷やかしに行った。

するとそこには、いつもの先客がいた。



「あ、ルレ公~!聞いたよ!帝国騎士団の頭のお堅い女をルレ公の毒牙の餌食にしたんだって?」

非常に言い方が悪い。

しかし、アリューシャの言う通りではある。

「そうなんですよ~。俺もやるところまでやっちゃいましたねぇ」

するとアイズも、

「さすがだねぇ、ルレイア。君を敵に回さなきゃならない帝国騎士団が気の毒だよ」

そう。そういう風に褒めてもらうと嬉しい。

「これで、騎士団が不穏な動きをしてもある程度察知出来ますね」

「しっかし、あれだな。アリューシャは男で良かった!女に生まれてたら、ルレ公の毒牙にやられるところだったぜ!」

へぇ?

「実は…男でも行けちゃうんですけど、どうします?」

万人を魅了する妖艶な笑みに。

アリューシャは、ひくっ、と声を出し、すすす、とアイズの背中の後ろに隠れた。

「…やべぇ。アリューシャの貞操が…。ルレ公に…」

「馬鹿だね。ルレイアを煽るからだよ」

「ルレイア。お前もアリューシャを背中から撃つのはやめろ」

「はーい」

ルルシーにも怒られてしまった。まぁ、望んでもいない相手と「する」のは俺の美学に反するし。

まして、アリューシャは家族だからな。

彼が望まない限りは…やめておくとしよう。

「よし、それじゃあ今夜は、ルレイアの功績を讃えて…皆で奢ろうか」

「え、本当ですか?」

そういうことしてくれちゃうの?本当に?

帝国騎士団では絶対なかった感じの?

「まぁ、今回の功績を思えば、奢るくらいはしないとな」

「だね。アリューシャが何でも奢ってあげるよ!何が良い?」

素晴らしい。仲間達が優しい。

「じゃあ、ルルシーの和食を食べさせてください」

「良いねぇ。アリューシャに任せろ。ルルシー、頼んだぜ」

「だって、ルルシー。宜しくね」

「奢りじゃないじゃねぇか。お前らも働けよ」

何処かのお店に行っても良いけど、やっぱりルルシーのご飯が一番美味しいからなぁ。

奢ってくれるならルルシーご飯を所望。

何だかんだ言いつつも、ルルシーも仕方ない、と承諾してくれた。

全く。なんと素晴らしい仲間達であろうか。
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