The previous night of the world revolution
孤児院で暮らしていた頃の俺は、屍のようなものだった。

職員に殴られ、虐待され。

更には院の中にさえ、厄介なカースト制度があり。

右も左も分からないガキだった俺は、虫けらも同然の扱いをされていた。

孤児院での暮らしは本当に、ろくな思い出がない。

でも、そこにいなきゃ生きていけないのだから仕方ない。

丁度、騎士官学校でいじめられていたルシファーと同じだ。

未来が暗い。これから先、どうなるのか全く分からない。

どちらに転んでも、苦しい未来しか見えない。

あのままあそこにいたら、俺は今頃、自分の人生に絶望して…自殺していたんではなかろうか。

そう思えるほど、辛い日々だった。

ルシファーと違って、俺には将来目指すべきものすらなかったのだ。














…あの日までは。






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