The previous night of the world revolution

sideルルシー

ーーーーー…ルレイアの目は、まだ黒く光っていた。

でもそれは、濁った目ではなかった。

彼が復讐を終えてしまったら、生きる意味をなくしてしまうのではないか。

俺は、ずっとそれが心配だった。

でもルレイアは、復讐を終えても、生きる意味を失ったりはしなかった。

むしろ、ようやくしがらみから解放されたように、清々しい顔をしていた。

…ルレイアが冤罪であることを知った、帝国騎士団の隊長達の顔が忘れられない。

特に、ルシェが。

愛していたはずの弟を憎むことでどうにか立ち直ったルシェ。彼女は、その弟が冤罪であったと知った。自分の憎しみが全く検討違いなものであったことを知った彼女はこの先…どうなってしまうのだろう?

…残念ながら、それは俺の知ったことではなかった。ルレイアの言う通り、これは全て、自業自得なのだから。

ルレイアが良いなら、俺はそれで構わない。

こんな穢れた人間を、愛してくれると言うのなら。

あんな穢れたルレイアを、俺も愛そう。

それがどれほど、歪んだ関係でも良い。

ただお互いが、お互いを求めている。それだけの話だ。

「…ルレイア」

「はい?」

「お前は、もし…俺が死んだら、どうするんだ?」

「そうですねぇ。じゃあそのときは…俺も一緒に死にますね」

笑顔で。何でもないことのように。

あぁそうか。ルレイアが立ち直ったのは、それは本当は…帝国騎士団への憎しみではなく。

俺への執着、だったのかもしれないな。

別に良い。彼がそうするなら、俺も同じことをするだけだ。

「じゃあ、俺もそうしよう」










 





…地獄まで一緒に堕ちるって、決めたからな。






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