The previous night of the world revolution
帝国騎士団への非難の嵐を静める為、俺達は尽力した。

一応、約束だからな。

全く滑稽な話だ。真実を報道させたのは俺達なのに、それを収めるのも俺達とは。

ダメージを負ったのは帝国騎士団だけ。

とはいえ罪悪感はない。だって、俺は事実を公表しただけで、嘘を言って彼らを貶めた訳ではない。

自業自得。因果応報。これに尽きる。

事を収めるのに尽力はしたが、世論を納得させる為には、ローゼリア女王の退役は免れなかった。

菩薩のような心の広さを持ち合わせる俺でも、彼女を無罪放免にする訳にはいかなかった。

俺にあれだけのことをしたのだから、同じ目に遭ってもらわないと割に合わない。

ゼフィランシア共々、持てる権限の全てを奪い取って市井の身分に落とし、自分が何をしたのか、身を持って体験してもらおうと思ったのだが。

それだけは勘弁してやってくれと、彼らの妹であるアルティシアに、土下座せんばかりに頼まれ。

まぁ、次期女王に貸しを作るのも悪くないし、個人的にアルティシアの容姿も好みだったので。

ローゼリアからは王族としての権利を剥奪し、正式に王位を返還させ、エルマンタリア基地の更に向こう、辺境の地に、僅かばかりの従者だけつけて飛ばした。

ゼフィランシアからも貴族としての権利を奪い取り、ローゼリアとは正反対の、これまた辺境の地に飛ばしてやった。

その前に二人には、今後いかなることがあろうとも自分達に王位を継ぐ資格はない、と完全に王族から離れる為の宣言をしてもらった。

ほとぼりが冷めてから、彼らを擁立する派閥が出てきたら面倒だからな。

俺と比べると反吐が出るほど甘い罰ではあるが、蝶よ花よと育てられてきたローゼリアにとっては、これだけでも充分痛いだろうなぁ。

あとはそこで、死ぬまで己の身を嘆くも良し。人生に悲観して自殺するも良し。好きにしてくれ。

出来れば自殺して欲しいんだけどなぁ。

彼らが生きていて何か面倒事が起こりそうになったら、すぐさま刺客を向かわせれば良い。帝国騎士団がついていなければあんな奴ら、恐ろしくも何ともないのだから。
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