The previous night of the world revolution
それよりも考えるべきは、帝国騎士団のことだった。

オルタンスの処分をどうするか、だが。

彼については、俺に任せる、とアシュトーリアさんは言ってくれた。

好きなようにして良いと。縛り首にしようが、ローゼリアと同じく追放しようが。

あるいは、もっと残酷な罰を与えても、それは俺の自由だ、と。

俺がどんな仕打ちをしようと、オルタンスは甘んじて受け入れただろうし、その程度の覚悟はしているだろうし…他の隊長達も、文句を言える立場ではないことは理解している。

それどころか、オルタンスだけではない。俺の冤罪に気づかなかった彼らに対しても、知らなかったでは済まされない、と連帯責任で罰することも出来た。

縛り首はさすがに無理でも、全員隊長職から降ろすくらいのことは。

だが、俺はオルタンスを追放することも、縛り首にすることもしなかった。

逃げて楽になろうなんて、そんな甘いことを許すものか。

あいつには、生きている限り恥を晒してもらわなければいけないのだ。

…それに、あいつは物分かりが良いからな。

女でないから落とせないのが残念だが、俺の傀儡として充分役に立ってもらう。

だから、オルタンスはそのまま、帝国騎士団長としての職務を続けさせることにした。

さすがに、貴族権は返させたがな。

他の隊長に関しても、このまま現在の職を続けさせることにしたが。

もしかしたら、やめたいと言い出す者もいるかもしれないが…。そのときは好きにしてくれれば良い。

ルーシッド辺りは、『青薔薇連合会』の傀儡政権と化した帝国騎士団、及びベルガモット王家を救う為に、また「正義」だの何だのと言ってレジスタンスでも起こすかと思ったのだが。

どうやら彼は、今回の件で完全に心を折られたらしく。

廃人同然で、「正義」のせの字も口にしないとか。

良いことだ。そのまま自殺でもしてくれ。

こうして俺達『青薔薇連合会』は、帝国騎士団を実質、配下に置くことに成功した。






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