The previous night of the world revolution
今までの生活が嘘みたいに、毎日が充足していた。満たされていると感じていた。

勿論『青薔薇連合会』は非合法組織だから、汚いことにも手を出した。血生臭い場面も腐るほど見た。

けれど、俺にとっては元々…そんなものは、見慣れたものだった。

他人の生き血を啜って生きるのは、今も昔も変わらない。

惜しむことも躊躇うこともない。

そもそも人間の幸せというものは…いつだって、誰かの不幸の上で成り立っているのだ。

いちいち罪悪感など感じていたら、この厳しい世界では生き残れない。

そう思って、割り切って…俺は日々、アシュトーリアさんの指示のもとで、忠実に任務をこなしていた。

帝国騎士官学校への潜入任務が言い渡されたのは、そんなある日のことだった。
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