センパイ。
「そういえばなんでずっと長袖着てるの?」

「えっと…」

「話したくなかったらいいよ、話さなくて」


月希ちゃんは深呼吸して、そでをまくった。

俺はびっくりした。

そこには傷だらけの月希ちゃん腕。

古い傷から新しい傷まで。

リストカット…。


「汚い物見せてすみません」


そう笑ってそでをおろす月希ちゃん。

これ以上、何も聞いてはいけない気がして。

これ以上、無理して笑って欲しくなくて。

俺はぎゅっと抱きしめた。


「ありがとう…ございます、、?」
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