センパイ。
六詩side


トイレに行ったら、屋上に行ける階段を見つけて興味本位で行ってみた。

そしたら先客が居た。


「そんなに俺のこと嫌いかよ」

「別に、嫌いじゃないよ」


そう言った月希の横顔が綺麗だった。


パァンッ…パラパラ、、


「え…」


俺は上を見上げた。

花火だった。


「ねぇ!花火だ!どこかで祭りでもやってんのかな?」


無邪気に笑う月希が可愛くて、花火の光に照らされた横顔が綺麗で。


「なぁ」

「なに?………」


俺はキスをしてしまった。


ドンッ。


押された。

女に拒否られたことなんて今までなかった。


「月希…?」


月希は泣いていた。


「月希!」


そして走って行ってしまった。
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