センパイ。
「いや、噂だけどさ…」


璃空の話だと、中学の時に付き合ってた男に無理矢理されたらしい。

だからあんなに冷たくみんなと距離を取ってるらしい。

確かに俺が初めて触れた日、椅子から落ちそうになってる月希ちゃんを抱きかかえた日も震えていた。

さっきだって…。


「要は、男の人が怖いんだ」


湊優が言った。


「うわ、俺最低じゃん…」


珍しく落ち込む六詩。

俺は月希ちゃんに電話をかける。

出るわけないよね。


「璃空、家知ってる?」

「大体の場所なら…」


俺は璃空から場所を聞いて走り出した。
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