センパイ。
月希side


「くっそ…あの野郎、、」


あたしは今、黒板と戦っている。

日直だから黒板を消して帰らないといけないんだけど、届かない…。

あ、椅子を使えばいいのか。

高校に入学して2年がたつというのに、いまだに友だちと呼べる人は居ない。


「わっ…」


そんな事を考えているとフワッとからだが浮いた。

あ、落ちる。

そう思うと世界がスローモーションになったみたいだ。


「………っと」


あれ、痛くない。

しかも何、今の声。

目を開けると

知らない男の人があたしを抱きかかえている。


ゾワゾワ…。


「おろせ」

「おい助けて貰って第一声目がそれかよ」


後ろから銀髪のチャラそうな奴が出てきた。


「怪我はない?」


あたしを助けてくれた黒髪の大男。

口元に沢山のピアス。


「ねぇ君って…シンガーソングライターのツキちゃんだよね?」


また後ろからチャラそうな奴。

あたしは荷物を持って走って帰路に着く。
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